攻めるか守るか?セネカとマキャベリに学ぶ「運命」と人生戦略
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Taka Knowledge Output
「欲しいものをすべて手に入れることは誰にもできない。だが、自分が持っていないものを欲しがらず、現に持っているものを喜んで活用することなら、誰にでもできる」――セネカ『倫理書簡集』のこの一節は、豊かさの本質を突いています。
莫大な富を持つ人間でも、すべてを得られるわけではありません。資金力を背景に選挙へ出ても落選することがある。金で尊敬や愛情を買おうとしても失敗することがある。富がいくらあっても、欲しいもののすべてを手にすることはできないのです。
では、私たちはどうすればよいのでしょうか?選択肢は二つです。
ストア派は後者を選びました。欲しいものの中身を変えるのです。そうすれば、誰でも「すでに豊か」であることに気づけます。
石油王ジョン・D・ロックフェラーは超一流の富豪でしたが、彼もまたこう語っています。
「ある人の富は、その収入に対する欲求と支出の関係で決まるはずだ。収入が一〇ドルでも豊かに感じ、欲求が満たされているなら、その人は本当に豊かである」
つまり、豊かさは収入や資産の額ではなく、欲求と満足のバランスにあるということです。
これらの習慣は、欲求を減らし、今あるものを楽しむ力を育ててくれます。
「何も欲しない」ことは「何でも持っている」ことにつながります。セネカとロックフェラーが共に語ったこの逆説は、現代の物質社会でも揺るぎません。欲求を減らし、今あるものに満足することで、私たちはすでに豊かさを手にしているのです。