自己啓発

忙しさに流されず、悠々と生きる──『菜根譚』に学ぶ、心をすり減らさない働き方

taka
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忙しすぎる現代にこそ響く『菜根譚』の言葉

「仕事が終わらない」「休日も気が休まらない」──そんな声が多く聞かれる現代社会。
立場が上がるほど責任が増え、心身の疲労も大きくなります。

『菜根譚(さいこんたん)』の前集二七では、そんな激務の中にあっても“悠々と生きる”姿勢の大切さを説いています。

「高い地位にあるときは忙しい。だが、その地位や人間関係に縛られず、心が休まる環境を持ちなさい。」

これは、現代の“働きすぎ社会”におけるバランスの教えとも言えるでしょう。


激務の中でも「心の静けさ」を守る

地位や責任が重くなるほど、周囲の期待やプレッシャーに押しつぶされそうになるものです。
ですが、『菜根譚』はこう言います。
**「忙しいときこそ、自分の心を休ませる工夫をせよ」**と。

つまり、外の環境を変えられなくても、「心の居場所」を整えることはできるということです。
たとえば、

  • 一日の終わりに静かにお茶を飲む時間をつくる
  • 朝の通勤前に深呼吸する時間を取る
  • 仕事の合間に、外の空気を感じる

これらは小さなことのようでいて、心のリセットに大きな効果をもたらします。
『菜根譚』の「悠々と生きる」とは、決して怠けることではなく、どんな環境でも自分を失わない生き方なのです。


静かに暮らす人へのもう一つの警鐘

一方で、この章にはもう一つの側面があります。
「隠遁して自然の中でのんびり暮らす人は、現実社会から遠ざかり、世間知らずになりがちだ」という警句です。

のんびりと生きることは素晴らしいことですが、社会の動きをまったく見なくなってしまうのは危険です。
『菜根譚』は、
「自然に身を置いても、常に世の中を見て、自分の見識を養いなさい」
と諭しています。

つまり、“静”と“動”のバランスが大切なのです。
激務の中にいても、心の静けさを忘れずに。
静かな暮らしの中でも、社会へのまなざしを失わずに。
この両立こそが、真の「悠々自適」だと『菜根譚』は教えてくれます。


現代に置き換えるなら──「切り替えの上手さ」が鍵

この考え方を現代のライフスタイルに置き換えると、
それは「オンとオフの切り替え」や「メンタルマネジメント」に通じます。

  • 忙しいビジネスパーソンほど、休日には自然に触れる時間を取る
  • リモートワークが多い人ほど、定期的に社会との接点を持つ
  • 自分のキャリアに没頭する人ほど、家族や仲間との関係を大切にする

これらはすべて、外の世界と内なる心の調和を保つ行為です。
『菜根譚』は400年以上前に書かれた書物ですが、まるで現代の「メンタルケアの指南書」のようでもあります。


まとめ:どんな環境でも「心の自由」を持つ

『菜根譚』前集二七の教えを一言でまとめるなら、
**「忙しくても、心は自由であれ」**ということです。

社会的な立場や環境に縛られるのではなく、
どんな状況でも自分のペースと視野を保つこと。
それが、人生を長く豊かに生きるための秘訣です。

そして、静かな暮らしを選んだ人もまた、世間を知り、自分の視野を磨き続けることが求められます。
“静”と“動”を行き来しながら、柔らかく、しなやかに生きる。

それが、『菜根譚』が伝える「悠々とした生き方」なのです。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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