責任ある積極財政の壁と財政法4条
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Taka Knowledge Output
物価が上がると聞くと、誰もがネガティブな感情を抱く。だが、経済においてインフレのすべてが悪ではない。中央銀行が年2%の上昇を目指すのは、穏やかな物価上昇こそが健全な経済の証だからである。
重要なのは、その中身を見極めることだ。インフレには、原材料やエネルギー費の高騰が価格を押し上げる「コストプッシュ型」と、旺盛な需要が価格を引き上げる「デマンドプル型」がある。前者は誰も得をしない「悪いインフレ」であり、後者は賃上げと投資を伴う「良いインフレ」である。
現在の日本を襲っているのは、明らかに海外発の供給ショックと円安がもたらしたコストプッシュ型、つまり「悪いインフレ」である。物価は上がっても実質賃金はマイナスのままであり、家計の節約志向は強まる一方だ。
景気が停滞しているのに物価だけが上がるこの状態は、経済学で「スタグフレーション」と呼ばれる最悪の組み合わせである。内需が冷え込んでいる局面で、教科書通りにインフレを抑え込もうと利上げや増税を強行すれば、火事にガソリンを注ぐようなものだ。
今回の物価高は、円安、資源高、国際紛争という3つの外圧が重なった結果である。国内の需要が強すぎるわけではないため、消費を抑える政策は完全に筋違いだ。医療に例えるなら、原因を誤認したまま強い薬を投与するようなものである。
今なすべきは、需要の抑制ではなく、供給側のケアだ。エネルギー補助金や減税によって家計の負担を直接和らげ、国内の供給力を支えなければならない。間違った処方箋を飲み続ければ、日本経済は本当に息の根を止められてしまう。