『しないことリスト』が教える“がんばらない勇気”|心が軽くなる36の習慣
『しないことリスト』に学ぶ、「がんばらない」からうまくいく生き方
「やってもやっても終わらない」「何もかも面倒くさい」――。
現代社会で生きる多くの人が、こんな“慢性的な疲れ”を抱えています。
pha著『しないことリスト』(大和書房)は、そんな私たちに向けた“脱・がんばりすぎ”の書。
肩の力を抜き、「しない」ことで人生をスッキリ整える36のリストを紹介しています。
1. 「だるい」はサボりじゃなく“心のサイン”
「だるい」「やる気が出ない」という気分を、あなたはどう捉えていますか?
多くの人は、「気合が足りない」「もっと頑張らなきゃ」と自分を責めてしまいます。
しかしphaさんは、それを**「体や心がSOSを出しているサイン」**だと語ります。
本当にやりたいこと、心地よいことをしているとき、人は“だるい”とは感じません。
だるさを無視して無理に走り続けるよりも、
「今のやり方が合っていないのかもしれない」と立ち止まって見直す。
その小さな余白が、心を守る第一歩になります。
2. 「一人でがんばらない」ことで、人生は豊かになる
「全部自分でやらなきゃ」と思っていませんか?
完璧主義な人ほど、タスクを抱え込み、気づけば孤立してしまいがちです。
phaさんは、「一人でやろうとしない」と決めています。
なぜなら、人は**「頼られたい生き物」**だからです。
頼ることで、会話や信頼が生まれる。
そして、自分の苦手を他人の得意が補ってくれる。
ポイントは3つ。
1️⃣ 低姿勢でお願いする
2️⃣ きちんと感謝を伝える
3️⃣ 頼まれたときは、できる範囲で引き受ける
頼り合うことで、人とのつながりも自然に深まっていきます。
3. 「AかBか」で考えない。世界はもっと曖昧でいい
「正しい」「間違い」「勝ち」「負け」。
私たちはつい、世界を二択で見ようとしてしまいます。
けれどphaさんは言います。
「人それぞれ、立場や事情が違うのだから、みんなそれぞれ“正しい”ところも“間違っている”ところもある。」
誰かを完全に否定しない。
「自分と違う生き方もある」と受け止めるだけで、
他人にも、自分にも優しくなれます。
意見の違いを楽しめるようになると、
人間関係のストレスは不思議なくらい軽くなっていきます。
4. 「努力しない」ことも努力のうち
「努力は美徳」という言葉に縛られすぎていませんか?
phaさんは“努力しない”ことを提案します。
それは「怠ける」という意味ではなく、
**“がんばらないと続かないことは、そもそも自分に向いていない”**という考え方です。
「やる気が出ない」なら、それはあなたが悪いのではなく、
やり方か方向性が違っているだけ。
頑張らないとできないことより、
夢中でできることを見つけたほうが、結果的に長く続く。
努力の前に、“自然に続く道”を選ぶ勇気が大切です。
5. 「所有しない」と、心は自由になる
物を減らすことは、心を軽くすること。
phaさんの暮らしは、まさに“ゆるいミニマリズム”です。
・服はTシャツとパーカーが基本
・靴は同じモデルをリピート
・気晴らしはコンビニのちょっと高いアイス
「日常をシンプルにしておくと、ちょっとした贅沢が嬉しくなる」
そんな小さな喜びが、日々の幸福度を高めてくれます。
お金をかけすぎず、生活レベルを上げすぎない。
“持たない幸せ”は、今すぐにでも始められます。
6. 「期待しない」と、人間関係がラクになる
人間関係で苦しくなるのは、多くの場合“期待しすぎるから”。
「わかってもらえるはず」「あの人なら助けてくれるはず」――。
しかしphaさんは、あっさりと言います。
「人には人の都合がある。期待しないほうがラク。」
裏切られたと思うのは、こちらが勝手に“理想像”を押しつけたから。
期待を手放せば、ありのままの相手を見られるようになります。
“期待しない”は、冷たさではなく優しさの形なのです。
7. 「完璧」を目指さない。「適当」がちょうどいい
「無理せず自然でいよう」「常にポジティブでいよう」――。
これもまた、“完璧主義の裏返し”です。
phaさんはこう言います。
「どんな信念も、完璧に実行しようとすると破綻する。」
“適当に諦める力”を持つこと。
“まあいっか”と笑える余裕を持つこと。
それが、長く心地よく生きるための知恵です。
真面目すぎる人ほど、「適当」を学ぶことで人生が豊かになります。
8. 「役に立つ」より、「楽しい」を選ぶ
何かを始めるとき、「これって役に立つの?」と考えていませんか?
phaさんはその考えをやめました。
「野菜を育てるのは、収穫のためじゃない。成長を見ている時間が楽しいから。」
仕事も趣味も、人間関係も、
“結果のためにやる”より“やってる時間が好き”のほうが、ずっと続く。
「夢中になれることをする」――
それこそが、人生を長く楽しむコツなのです。
まとめ|“しない”ことで、人生は動き出す
『しないことリスト』の本質は、
「がんばらなくても、生きていい」というメッセージにあります。
- 一人で抱えこまない
- がんばりすぎない
- 完璧を求めない
- 比べない
- “やりたい”を大事にする
この5つを意識するだけで、人生は驚くほど軽やかになります。
“しない勇気”は、あなたを怠け者にするのではなく、
本当に大切なことを見極める力をくれるのです。
おわりに
『しないことリスト』は、読むたびに力を抜かせてくれる不思議な本。
「がんばらない自分を許す」きっかけをくれる1冊です。
無理を手放し、今日も“ゆるく、やさしく”生きていきましょう。
