高市首相の「消されたコラム」と密室の罠
密室で決まる消費税減税の行方
通常国会が始まり、選挙の大きな争点となった「消費税減税」の議論が本格化している。しかし、そこには不可解な動きがある。高市首相は、この国の根幹に関わる重要課題を、開かれた国会ではなく「国民会議」という別組織で議論すると宣言したのである。
なぜ国会ではなく「国民会議」なのか
この国民会議だが、驚くべきことに全面公開はされない方向だという。自民党の小林政調会長は「自由な意見交換に影響が出る」と、非公開に重きを置く姿勢を示した。選挙で圧倒的な議席を獲得しておきながら、なぜこそこそと密室で議論を進める必要があるのだろうか。
ここから透けて見えるのは、「結論ありき」のシナリオである。そもそも与党は消費税減税に消極的といえる。しかし選挙の公約として掲げてしまった以上、形だけでも議論はしなければならない。そこで非公開の会議を立ち上げ、一部の野党だけを巻き込み、最終的に「意見がまとまらなかった」と野党に責任を押し付けて減税を見送る。そんな筋書きすら疑えてしまう状況だ。
削除されたコラムに隠された真実
さらに事態に対する不信感を高めているのが、高市首相による「過去のコラム全削除」騒動である。当初は消費税増税を容認していた過去を隠すためかと思われていたが、真の理由は別のところにあるようだ。
実は14年前、高市氏は自身のコラムで、当時の政権が行っていた消費税を巡る与野党協議を痛烈に批判していたのである。「なぜ開かれた国会の場で議論をせずに、密室で結論を出さなければならないのか」。そう明確に書き残していたのだ。
過去の自分という最大の敵
かつて密室政治を厳しく非難していた人物が、今まさに自らの手で「国民会議」という密室を作り出し、消費税の結論を出そうとしている。これは完全な自己矛盾であり、特大のブーメランといえるだろう。自身のダブルスタンダードが露呈することを恐れたからこそ、コラムを全削除したのではないか。そう勘繰られても仕方がない。
過去の自分という最大の敵に追い詰められつつある現状。これほどあからさまな矛盾を前にしても、私たちが何も疑問を抱かないのであれば、政治は変わらない。この国の生活を左右する議論は、常に明るい場所で行われなければならないのである。
