責任ある積極財政の壁と財政法4条
積極財政の実態と残る疑問符
高市内閣は「責任ある積極財政」を掲げているが、その実態には強い疑問符がつく。ガソリンの暫定税率廃止や、子供向けの現金給付など、これまでの政権の焼き直しや表面的な対策に終始している印象が否めないからだ。本当にその責任を果たそうというのであれば、まずは財務省に対して明確な方針を示すべきではないだろうか。経済を活性化させ、国内投資を呼び込むと謳いながら、それを根本から阻害している法律の存在を放置したままでは、到底実現できるはずがないのである。
経済成長を阻む財政法4条の壁
その最大の障壁となっているのが「財政法4条」である。この法律は、大まかに言えば「国の運営は税金だけでまかない、銀行からの借り入れなどの借金は原則としてしてはならない」というものだ。例えるなら、巨大なダムに水が豊富にあるにもかかわらず、水不足で苦しむ家庭に対して「その水は使ってはいけない」と制限をかけているような、理不尽な状態である。国内経済を本気で成長させるつもりならば、この財政法4条や、同様の縛りを設けている地方財政法5条の抜本的な見直しこそが、避けては通れないマストな課題といえる。
委員会での鋭い追及と眠れる資金
この根本的な問題に対し、衆議院の財務金融委員会で鋭く切り込んだのが、前名古屋市長の河村議員である。彼は「税金を払う国民が苦労し、税金で暮らす役人が極楽の社会でどうするのか」と、本質を突く痛烈な批判を展開した。さらに、日銀の当座預金に何百兆円もの莫大な資金が余り、そこに利子までつけられている現状を指摘したのである。この眠れる資金を活用し、民間の商売や投資に回す大胆な仕組みを作らなければ、国も地方も立ち行かないと、正面から迫ったのだ。
問われる政治の真価と本気度
しかし、これに対する片山財務大臣の答弁は、既存の枠組みを崩そうとしない、のらりくらりとしたものだった。「河村議員の知恵も借りたい」と締めくくろうとした大臣に対し、河村議員が「知恵を借りるなら、やると言え」と一喝した場面は、今の政治の限界を象徴している。現状の体制と法律の縛りがある限り、どれだけ耳障りの良い「積極財政」を掲げても、結局は口約束に終わってしまう。本当に「強い経済」を作る覚悟があるのか、政治の真価と本気度が今、厳しく問われているのである。
