政治・経済

「失われた30年」の真実。経済を止めた政府の失策

taka

拡大しなかった経済の「パイ」

1990年代半ばから2020年頃にかけて、日本の名目GDP(国全体の経済規模)は、約525兆円という水準からほとんど動かなかった。これは、およそ四半世紀にわたり、日本国内のビジネスの「パイ」が全く拡大しなかったことを意味している。 パイが大きくならない以上、企業はリストラやコストカットによる過酷な生存競争に走るほかない。その結果、企業は投資を控えて資金をため込み、世の中にお金が回らなくなるという最悪の悪循環に陥ってしまったのである。経済規模に比例する株価も長らく一定の範囲に留まり続け、日本には「株式の長期保有」という文化すら定着しなかった。

追い打ちをかけた「緊縮財政」という誤り

このような深刻な悪循環から抜け出すためには、本来、政府が積極的にお金を使い、経済全体を力強く牽引すべきであった。しかし、現実に行われた政策はことごとく真逆であったといえる。 1995年の「財政危機宣言」を皮切りに、1997年には消費税率が引き上げられた。さらに2000年代には、新たな支出を厳しく制限するルールや、国の赤字を減らす目標ばかりが優先されるようになった。その後も繰り返された消費税増税などにより、日本の政策はひたすら経済を萎縮させる「緊縮」の道へと突き進んでいったのである。

経済を拡大させる「責務の放棄」

国が「財政の健全化」ばかりを優先し続けた結果、日本経済は自力で膨らむ力を完全に失ってしまった。名目GDPというものは、減税や積極的な財政出動によって、政府が主導して押し上げることが比較的容易な指標である。 それにもかかわらず、歴代の政府は一部の強い政治力に引っ張られ、「経済規模そのものを拡大させる」という国家として最も重要な責務を放棄し続けてきた。これこそが、「失われた30年」と呼ばれる長すぎる停滞とデフレ経済を決定づけた最大の要因である。

ようやく訪れた転換点と未来への教訓

長い痛みの末、近年になってようやく政府の姿勢に変化の兆しが見え始めている。「財政健全化」の前に、まずは「経済規模を拡大させる」という大前提が語られるようになったのだ。 率直に言えば、1990年代の時点でこの単純な事実に気づき、正しい政策を打っていれば、日本経済がここまで底なしの低迷に陥ることはなかっただろう。過去の失策を重い教訓とし、国がしっかりと経済のパイを広げる責任を果たすこと。それが、私たちが真の再生へと向かうための絶対条件といえる。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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