政治・経済

巨額赤字でも金利が上がらない謎。正しい財政の道

taka

巨額の赤字でも金利が急騰しなかった理由

「国の借金が膨らめば、いつか金利が急騰して破綻する」。かつて、そんな財政危機論が世間を煽り立てた。しかし現実には、財政赤字が拡大し続けても、日本の金利は長らくゼロ近辺まで低下していった。 なぜか。金利とは本来、お金を借りたい人と貸したい人のバランスで決まる。バブル崩壊以降、企業も政府も支出を固く絞り、「お金を借りてまで使いたい」という国内の資金需要が完全に消滅してしまったからだ。国全体で誰もお金を借りようとしないのだから、金利が上がるはずもなかったのである。

金融緩和だけでは経済は動かない

この「資金需要がゼロ」という状況下では、いくら日本銀行が異次元の金融緩和を行っても効果は限定的であった。 アベノミクスの初期には、震災復興の財政支出と金融緩和が重なり、一時的に経済が上向く兆しを見せた。しかし、2014年の消費税増税によって世の中の資金需要は再び冷え込んでしまう。政府が財布の紐を締めたまま、日銀だけが金融機関にお金を供給しても、実体経済には波及しない。結果として金利はマイナスという異常値に突入し、金融政策だけではデフレから抜け出せないことが露呈した。

コロナ禍の財政出動が証明した「膨らむ力」

では、長年停滞していた名目GDPが、コロナ禍を境に突如として急拡大したのはなぜだろうか。答えは極めて明白である。パンデミックという危機に対応するため、政府が給付金や補助金といった大規模な「財政出動」に踏み切ったからだ。 国が大胆にお金を使ったことで、一時的に国内の資金需要がマイナスに振れ、家計へと直接資金が回った。だからこそ、輸入物価の急激な高騰や企業の値上げラッシュに対しても、家計は消費を極端に減らすことなく持ち堪え、結果として経済全体の規模が膨らんだのである。

積極財政こそが真の財政健全化への道

しかし足元の状況を見ると、税収増によって政府の財政収支は改善に向かい、企業も再び資金をため込み始めている。国全体がまたしても「緊縮状態」に引き戻され、家計の困窮と実質賃金の低下を招いているのが現実といえる。 この冷え込みを打破するには、官民連携による成長投資など、力強い「積極財政」が必要不可欠である。一時的な物価高は手厚い家計支援で乗り切りつつ、投資によって経済のパイを力強く広げていく。経済が豊かに膨らめば自然と税収も増える。これこそが、国民生活を豊かにしながら達成できる「正しい財政健全化」の道なのである。

スポンサーリンク
ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました